国産紅茶グランプリ2025 審査講評
国産紅茶グランプリ2025 審査講評
武田 善行(審査員)
国産紅茶グランプリ2025は9月15日に12名の専門審査員により予選審査を行い、チャレンジ部門、プロダクツ部門ともに各上位10点を選出しました。なお、同一部門に複数エントリーした出品者は、審査規定により当該部門の出品者の最上位のもの1点を受賞の対象としました。
本選は、10月19日に専門審査員11名と一般審査員15名で行い、採点の結果、各部門でグランプリ賞をはじめ各賞を決定しました。
また、昨年度も実施しましたリモート審査員を今年度も募集し、チャレンジ部門とプロダクツ部門の入賞茶を送付して自宅で審査をしていただき、それぞれの部門で最も評価の高かった出品茶に「一般審査員特別賞」を授与しました。
ここにグランプリ賞を始め栄誉ある各賞を受賞されました出品者の皆様にはこの場を借りてお祝いを申し上げます。
本年度の出品概要、出品茶の特徴等については下記の通りです。
1.本年は17都府県(前年17)から124点(前年144)の出品がありました。内訳はプロダクツ部門が13府県(前年15)から61点(前年76)の出品がありました。また、チャレンジ部門では、12都府県(前年16)から63点(前年68)が出品されました。
2.出品者数はプロダクツ部門が32(前年33)、チャレンジ部門が32(前年36)で、両部門の重複を除いた出品者数は47でした。
3.全体の出品茶の茶種別内訳では、ブレンド茶を除いた120点で見ると、アッサム種系が37.5%、日本種系が60.0%で昨年に続いて日本種(中国種)系が過半数を占めました。
品種では、「べにふうき」が27.5%(前年33%)を占め、第1位となりましたが前年までに比べてその比率が低下しました。
緑茶用品種を用いた紅茶の出品は一昨年から増加傾向が見られましたが、今年は更に増加し、26の緑茶用品種が出品されました。昨年から顕著に見られるようになった緑茶品種を用いた紅茶の出品の増加は生産者が国産紅茶の可能性(多様性)を求めて主にチャレンジ部門で様々な品種を試していることが窺がわれました。
4.予選を通過した20点(プロダクツ部門10点、チャレンジ部門10点)の内訳は、プロダクツ部門では、アッサム種系が8点、日本種系が2点でした。
一方、チャレンジ部門ではアッサム種系が4点、台湾種系が2点、日本種系が4点でチャレンジ部門での多様化が目立ちました。
5.124点の出品茶の摘採期は、春茶が53点、夏茶が67点、秋茶が4点でした。
6.本年も昨年同様夏場の高温と茶芽の生育が止まるような極端な水不足などがあり管理の難しい年となりました。ただ出品茶の摘採時期を見ると多くが7月中旬までに終わっており上記の少雨、高温の影響は小さかったのではないかと思われます。
昨年多発したウンカ(チャノミドリヒメヨコバイ)の発生は、今年も全体的には多いように感じました。
7.本年は焙じ系の紅茶がやや少なくなり、代わって烏龍茶様の橙黄色をした水色の紅茶がやや増えてきました。全体的にはやや発酵が浅い明るい紅色の水色と殻色をした丁寧な作りの紅茶が多く、品質のレベルの高い品評会になりました。
本年度はプロダクツ(市販茶)部門で「べにほまれ」品種が昨年に続いてグランプリを獲得しました。生産者の努力と品種の特性を理解した技術がこのような成果に繋がったものと思います。
8.国産紅茶(和紅茶)は最近全国的にも関心が高まっていますが、その中心はミレニアル世代のアンテナの高い女性によって牽引されてきましたが、最近そこに男性の姿が見られるようになり間口が少し広くなったように感じます。
しかしながら、これまで尾張旭の国産紅茶グランプリを牽引してきた愛知県からの出品がここ数年なく、危機感も同時に感じています。
9.国産紅茶グランプリはコロナ禍の厳しい状況の中で生まれた自宅でも審査に参加できるリモート審査が定着してきたことは大変喜ばしく思います。
尾張旭の国産紅茶グランプリは国内の紅茶生産者を応援する視点から出品者には必ず生産者が名前を連ねるシステムになっています。
このような理念の元、全国の消費者と多様な接点をもちながらこれからも全国の紅茶ファンと共に国産紅茶グランプリを発展させていきたいと思っていますので今後ともご声援よろしくお願い致します。
最後に、皆様に支えられて今年も無事に終わることが出来ましたこと、この場を借りてお礼申し上げます。

